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書籍校正のひみつ

書籍校正者の日常

2025'06.27.Fri
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2006'09.11.Mon
書籍校正者の仕事とは、完成した書籍に間違いが出ないようにすること、これに尽きます。

基本的なこととしては、

・誤字、脱字
・事実に基づく本であれば、年号や科学的事実との齟齬などないか
・架空の話であれば、伏線とストーリーとの齟齬などないか
・話の流れに不自然なところがないか
・指定の通りにレイアウトされているか
・ノンブルや章番号は通っているか
・シリーズものであれば、前巻とレイアウトや文字遣いが揃っているか
・用語に不統一はないか
・アルファベットの部分にスペルミスはないか

などに注意しつつ、読んでいきます。
たとえ親本のデータがそのまま使える本があったとしても、校正者のところに来たときに「完璧」なゲラはありません。
かならず、朱(あか)が入ります。
(朱が入らないと、なんだかシゴトをしてないような気になるので、完璧と思っても必死で読みます。)

朱は、間違いに入れるものですが、
ほかに、鉛筆で疑問出しをする箇所もあります。
著者の説明不足の部分や、小説などで、事実を下敷きにしているにもかかわらず事実と微妙に異なっている点など、著者に確認が必要なところは鉛筆で入れておきます。
編集者は、その鉛筆書きを見て、著者に確認をとります。
直すべきところには編集者が朱を入れ、入力作業者に渡すという手順になります。
クライアントの手順を理解し、作業しやすいように朱字を入れるのも、必要な技能の一つといえます。

以上の作業は、「素読み」と言われる部分ですが、これに「引き合わせ」が加わることもあります。
引き合わせは、突き合わせとも言い、原稿とゲラが違っていないかをチェックする作業です。
非常に集中力を要求される仕事で、向いている人と向いていない人がはっきり分かれますが、校正者としては最低限の技能です。
著者が手書きで原稿を書いていた時代には、引き合わせなしに本を作ることはできませんでしたが、現在はこの仕事は減りつつあります。
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